⑥告げられた日
ある日のお昼過ぎ、いつものようにベッドでDVD鑑賞をしていると急に部屋のドアが開いた。
ドアの方を見ると、主治医からはじまり他のドクター達、看護師さん、両親までもがぞろぞろと入ってきてわたしのベッドを囲った。
あまりに入ってきた人みんなの顔が怖くて暗かったから、わたしは余命でも告げられるのかな・・・と思った。
主治医が暗い顔についている口を開けた。
「実は、最初あなたが運ばれてきたとき、危篤な状態で足まで処置ができず、足から菌がまわっていて足先は血がいっていませんでした。なので、右足のひざ下から切断しました。でも・・・」
まだ話が続いているのに父が、
「みゆ、大丈夫や。義足っていうのがあって、ほんまの足と変わらんものもあって普通に歩けるし見た目も本物そっくりなんもあるんや!いい義足、お父さんが買ったるから安心しい!」
正直ショックでした。
余命を告げられるという予想とは全く違ったけど。
でも、それを言われたときは顔色も変えずに、
「そっか、わかった。」
とだけ言った。
あまりにも父の必死さが伝わってきたから。
その後の話は覚えていない。
わたしの頭の中では、どうしてこんなになってまで生きてるんだろう。
死んでしまったほうがよかったのに。
そんなことばかり考えていた。
そして、夜一人で泣いた。
1ヶ月ほど自分の足を見るのが怖くて、移動するときは必ずひざかけをして、しかも無い足の形を見るのも嫌でひざかけ下の足のない所にクッションまで入れて形がわからないようにしてすごしていた。
きっと、まだ受け入れられないし、受け入れたくもなかったのだと思う。
最終的には看護師さんのミスで見てしまいました。
心臓があり得ないくらいに暴れていたのが記憶に残っています。